オマケ。









あなたといるだけで、何の変哲のない物が、いつもと変わってみえる。



いつもは、何の変哲もない街並みが

優しい空気に包まれている気がする。



いつもは、何の変哲もない夜空の星達が

いつもより輝いてみえる気がする。



それはきっと

あなたが私にしか見えない魔法をかけたから。



本当に、あなたは私のサンタクロースのようね。












「ねぇ、類。」

類に抱きしめながら、私は呟いた。

「ん?」

「憶えていてくれたんだ。」

あの曲の事。








***






クリスマスが来るまで時をさかのぼる事、約1ヶ月前・・・・・・・





ある日、フンフン♪と、つくしは床に寝ころびながら鼻歌を歌っていた。




「何の歌?」

寝ころんでいるつくしの隣で本を読んでいる類が尋ねた。

「んーとね・・・マライアキャリーの“ALL  I Want For Christmas Is You”っていう曲」



ララララと少し口ずさんでみせる。

あぁ、と類は頷く。



「つくしその曲好きなの?」

「うん。」

「じゃぁさ、その曲の歌詞の意味知ってる?」



歌詞の意味??

そんなこと考えた事なかった。





「知らない・・・。どんな意味なの?」

「それはね・・・」






クリスマスには そんなにたくさんいらないわ

欲しいものは 一つだけ


ツリーの下に置くプレゼントなんて どうでもいいの

私は あなたを独り占めにしたいだけ


こんな気持ち あなたは知る由もないかもね

どうか 私の願いを叶えて


私が クリスマスに欲しいのは

あなただけ







「・・・って意味。」

「へぇ〜・・・。」

“私は あなたを独り占めしたいだけ”か・・・・・





「どうかした??」

「えっ!?ううん、なんでもない。」

ブンブンとつくしは首を横に振る。



「?・・・・そう。」

頭の上に「?」を浮かべたまま類はとりあえず頷いた。

「ねぇ・・・・・・・」

寝ころんだ状態で、読書に没頭している類の袖をグイグイと引っ張った。

「類はこの曲の歌詞、どう思う?」

「ん〜。俺はいいと思う。」

・・・・っていうか、俺の気持ちのまんまだし。



「へぇ〜・・・・。類もこういうこと思ったりする??」



そりゃ、いつも思ってる。

「うん。」



「そうなんだ。」

つくしはゆっくりと頷き、またその歌を口ずさむ。



「ねぇ。」

「ん?」

よいしょ、とつくしは起きあがって類の後ろから抱きついた。

「私も、この曲と同じ事思ってるから。」

「そう。良かった。」



類は、ふわりと微笑んだ。

そんな類の頬に、つくしはそっとキスをした。


「大好き。」










***









「あぁ。もちろん。」

「そっか。」

憶えていてくれたのね、類。

ふふっ、と微笑む。





「どうかした?」

「ううん。なんでもないの。」

私は、類の胸の中から顔を上げた。





ただね・・・


「愛されてるなぁ、って思ったの。」

類は一瞬驚いた顔をしたが、ふわりとつくしに微笑み返した。




「当たり前だろ。」

「・・・・うん。ありがと。」


そして、より一層つくしを強く抱きしめ、耳元で囁いた。

「愛してるよ。」



その夜、類からのキスの雨が降り止むことはなかった。











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ハイ。このオマケを書いた理由は、クリスマス前の二人。みたいなのを書きたかったからです。

ALL Want For Christmasの小説でつくしが「 あぁ、この曲は・・・。憶えていてくれたんだ・・・。」って、

言った理由がお分かりになられたでしょうか??(分かりずらいかも・・・)


要するに、クリスマスの一ヶ月前にこの曲を聴いて、つくしが「この曲いいね」みたいな事を言ってたのを思い出して、

類くんは「あ、この曲にしよう」ってこの曲を選んだ訳です。(分かりにくくて申し訳ない)


こんな日常の些細な事まで憶えている類くん!!君は素晴らしいよ!!

結構女の子は、ちょっとしたことでも相手が憶えていてくれたりすると嬉しいものですよね〜。



それでは・・・・・メリークリスマスッ!!楽しい日々を!!



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